キャベツのアオムシ
 
【アオムシとは】
キャベツにつく害虫と聞いて、先ず思いつくのが「アオムシ(青虫)」だと思います。
アオムシは「モンシロチョウ」の幼虫で、脱皮を数回繰り返し、蛹になる前には体長が3~4cmになります。
アオムシの幼虫
アオムシの幼虫
成虫のモンシロチョウが飛んでいれば、その周辺に卵を産み付けている確率が高いです。
幼虫の色は緑色で、糞の色も緑色です。
若齢幼虫は葉裏から加害しますが、体長が大きくなると(中齢幼虫になると)葉表から加害します。
結球する前に株の中心部を加害されると、葉が巻かない被害がでます。
アオムシの被害が拡大すると、葉脈を残してキャベツの葉がほとんど丸ごと食いつくされます。
 
 
【発生状況】
発生適温は15~25度です。
アオムシが主に発生する時期は4~6月と9~11月です。気温が上がる真夏は減少します。特に春の発生が多いです。
一般的に気温が高めの日は活動も活発化し、産卵量も多くなります。
 
成虫が葉裏に100~200個の卵を1卵ずつ産み付けます。
アオムシの卵
卵は約1mm前後の白色です。
初めは白色で、だんだん黄色に変わり、約7日で孵化しますが、そのときの色は黒っぽい色になります。
年に2~6回の世代交代を繰り返します。
アオムシの卵
 
 
【防除のポイント】
キャベツを栽培している圃場周辺の雑草は、刈り取っておきます。
多発させてしまうと一度の防除では抑制が困難になるので、圃場をこまめにモニタリングして初発生を防除することが重要です。
葉裏に黄色い卵が産みつけるので、発見したら取り除きます。
中齢以降のアオムシの幼虫は、葉表から食害するため、葉の上に緑色の糞をします。葉表に糞がないか確認します。
オルトラン粒剤・水和剤(アセフェート)は、高い浸透移行性により「アザミウマ類」から「アオムシ」や「コナガ」といったチョウ目まで幅広く害虫を防除します。また、効果の持続期間が長く、省力的な害虫防除が可能です。
微生物殺虫剤の「ジャックポット顆粒水和剤」と「オルトラン水和剤」などの化学殺虫剤を併用することで、化学殺虫剤では仕留めきれなかった弱った害虫や抵抗性が付いた害虫をしっかり防除することができます。( 詳しくはお問合わせください
また、同一系統の連用は、薬剤感受性の低下につながりますので、異なる系統の薬剤をローテーション散布します。
 
 
 
 
 
 
 
 
「発生(発病)状況」や「防除のポイント」など、このページでご紹介した情報は一例です。
地域に「防除暦」などがある場合は優先的に参照して、注意点などをご確認ください。
対象病害虫、回数、収穫使用前日数などについては、使用前に必ずラベルを確認してください。