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イチゴ栽培におけるスパイカルEXとスパイデックスの同時防除の有効性
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前号においても特集しましたが、促成イチゴ栽培におけるハダニ防除の準備では、栽培開始時点からハダニ密度を限りなくゼロにしておくことが、その後の天敵利用を成功させる秘訣となります。
下図は2010年11月から12月末までのイチゴにおけるIPMプログラム実証試験で、天敵放飼前のハダニ密度の程度とその後の結果をまとめたものです。
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天敵放飼前にゼロ放飼ができていなかった場合には、ハダニが増えすぎた事例が約2割ありました。 一方、ゼロ放飼のための薬剤処理では効き目が不十分であることも多く、スパイカルEX(ミヤコカブリダニ)の放飼と同時に捕食力が抜群なスパイデックス(チリカブリダニ)を放飼して完全にハダニ密度をゼロに近づけることが有効です。この両者の同時放飼はチリカブリダニの積極的なハダニの捕食と、定着性の良いミヤコカブリダニの速やかな定着を促し、ミヤコカブリダニが年明け以降もハダニ密度を低密度のままに維持してくれるのです。
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事例紹介 2010年定植の促成栽培イチゴでスパイカルEXとスパイデックスの同時放飼の試験を実施しましたので、結果について紹介します。試験区1. がスパイカルEX単独放飼区、試験区2. がスパイカルEXとスパイデックスの同時放飼区、試験区3. が化学農薬による慣行防除区となっています。全ての区でエコピタとコロマイトを散布し、試験区1.2はその2週間後に天敵を放飼しました。それぞれの区の結果は下記の通りです。
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・10-12月:天敵放飼時にハダニが散見されたためダニサラバを散布。天敵は確認されていないが、ハダニは少発生。 ・1-3月:ハダニ増加に伴い、スパイカルEXが増加。マイトコーネ散布後にスパイデックスを追加放飼。ハダニはスポットで発生しているが、広がらない。
・4-5月:ダニ剤を散布していないにも関わらず、ハダニの発生はほぼゼロになった。ハダニの減少に伴いスパイカルEXも減少したが、圃場全体で定着が見られた。
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・10-12月:天敵放飼時にハダニが散見されたためダニサラバを散布。両方の天敵が確認され、年内中にハダニ発生はほぼゼロになった。 ・1-3月:ハダニの発生無し。
・4-5月:隣の慣行区ハウスからの持ち込みにより、ハダニが徐々に増加したが、定着していたスパイカルEXも合わせて増加。ハダニの発生はスポットのみ。
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・10-12月:ハダニが散見されたためダニサラバを散布。一時的にかなり減少したが12月から再発生。 ・1-3月:ダニ剤を散布したが発生が収まらない。圃場全体でハダニが増加傾向になり、クモの巣状態の株が増え始める。
・4-5月:繰り返しのダニ剤の散布によりハダニはかなり減少したが、圃場全体でハダニが発生したため、生育は良くない。
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まとめ 天敵放飼時にハダニが見られる場合は、同時放飼によって天敵の効果が早い段階から発揮されました。スパイカルEX単独放飼の場合は、年明けからようやく天敵密度が増加する傾向にあるため、天敵放飼前の防除が肝心です。安定した効果を得るためには、多少でもハダニが散見される場合、スパイカルEXとスパイデックスの同時放飼が有効と考えられます。
なお、春先には天敵導入区ではハダニの発生がほとんど無く、慣行防除区とのイチゴの生育の差は明瞭でした(写真1、2)。
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※2011年10月31日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。
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