マンゴーで初めての本格的な天敵導入
当園では、平成元年に沖縄県からマンゴー苗を導入し、約20年前からマンゴーの出荷を続けてきました。現在では全体で1.56ヘクタールのハウスで年間25トンのマンゴーを生産しています。
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有嶋則雄さん
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マンゴー栽培でもっとも厄介な害虫はチャノキイロアザミウマです。近年は農薬に対する抵抗性の発達が著しく、何を散布してもあまり効果がないうえ、マンゴーでは開花期に受粉昆虫を導入するので思うように防除ができないことが問題となっていました。
今回天敵試験に取り組んだきっかけですが、所属する肝属地区のマンゴー研究会の勉強会で普及員さんからハウスミカンやレモンでスワルスキーによるミカンハダニ防除の成功事例の紹介があり、さらにマンゴーのチャノキイロアザミウマにも効果があるということで試験に取り組むことにしました。
昨年は県の振興局の試験として1棟のハウス(11a)で試験導入し、隣接のハウス(11a)と比較を行いました。試験を始める前は、正直ちゃんと効果があるのか不安があり、スワルスキーについても半信半疑でした。放飼時期としては加温後の開花初期と満開期の2回放飼です。
結果としては、対照区のハウスでは被害果が100%生じたのに対し、スワルスキー放飼区では約5000個のマンゴーのうち軽微な被害が出た果実が4、5個だけで、非常に高い効果を実感することが出来ました。
スワルスキーのメリットは、農薬が効かなくなった害虫にも効果があることだけでなく、処理作業が非常に楽でその日のうちに他の作業ができることなどです。今作の導入時はコーヒーフィルターを用いた放飼方法で処理しましたが、今後スワルスキープラスという簡単に処理できるパック剤の販売が予定されているとのことなので、是非導入してさらに防除を省力的にしたいと思っています。
本地域を担当する普及員さんによれば、肝属地区のマンゴー研究会に所属する生産者(11戸、作付面積約4ha)の8割以上がスワルスキーを導入しています。すでにスワルスキーを組み込んだ天敵利用体系でのマンゴーの栽培暦も作成されていますので、これからも地域でより安全・安心なマンゴー作りに取り組んで行きたいと思っています。
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