<生産者の声>パプリカ栽培 天敵と責任分担
 
 
<生産者の声>パプリカ栽培 天敵と責任分担
 
有限会社ベストクロップ
代表取締役 橋本文博

パプリカ栽培20年。経営規模は創業時の20aが1haになり、その傍らで野菜種子の輸入も手掛けています。こう話すと経験豊富な農業者に聞こえますが、病害虫の対策には苦労が絶えません。

就農以来ずっと天敵を愛好しており、害虫対策のベースは常に天敵。
アブラバチのマミーが無数に増えて害虫が可哀相に思えるときもあれば、葉裏を数十枚探しても見つかるカブリダニがほんの2、3匹。不安になって、薬剤散布をすべきか悩むことがよくあります。
天敵のマミーは着々と増えているのに、局地的にアブラムシが早く増えて、すすかびで果実を真っ黒にされたり、冬場にコナジラミがじわじわと増えて、特定の通路を通ると紙吹雪のように飛び立つ・・・。繁忙期には、見落としたハダニが葉を黄色くして、やがて落葉が始まり、せつなくなります。

病害虫対策に苦労が絶えないのはなぜか?経営規模が大きくなるにつれて、自ら作物を触る時間が減り、病害虫の発見は作業者に頼りがちなことや、天敵保護の殺虫剤ばかりを使っていると、定番の薬剤の
効果について疑心暗鬼に陥ること、などがあるようです。
就農間もない頃に、自分で農作業をしながら病害虫を見つけては素早く対策をしていた時とは違う難しさを感じています。

そのため、本年から職場の仕組みを改編することにしました。
私や農場長が全体を常に監修するのですが、農場を幾つかに区分けして、区画別の担当者を決め、病害虫の観察を徹底的にしてもらう方式です。
成功のためには、職場全員が病害虫のことをよく勉強せねばなりません。

しばしば思い出すのは、大分県の生んだ哲学者 三浦梅園(みうらばいえん)の言葉。
「華を識らん(しらん)と欲せば、先ず華譜(かふ)を繙かん(ひもとかん)よりは、すみやかに華圃へ走れ。」

~花のことを知るには、本を開くよりも、まず圃場に行きなさい~

現場をよく見て、正しい判断をし、対策をする。
この基本を大切にするよう、職場全員で話し合い、新たな一年を始めました。

<生産者の声> パプリカ、天敵全般
※2022年2月2日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。