1. はじめに
オルトラン粒剤はアセフェートを有効成分とする有機リン系殺虫剤であり、1973年の初登録から再来年2023年で50年を迎えます。これまで半世紀に渡りオルトラン水和剤とともにアブラムシ類、アザミウマ類およびチョウ目害虫の防除に幅広く使用されてきました。過去には登録制度の変更に則りいくつかの作物の登録削除や使用方法の変更を余儀なくされましたが、皆様方にご愛顧いただき、それらを乗り越え現在まで販売を続けてこられました。
今後も100周年に向け活動を続けてまいりますが、その一つとして、今回は2021年9月29日付で登録取得となりましたキャベツ、はくさいおよびブロッコリーのネキリムシ類登録についてご紹介させていただきます。
2. オルトラン粒剤のネキリムシ類に対する効果
オルトランと聞くとアブラムシ類、アザミウマ類およびアオムシなどチョウ目害虫の幼虫など地上部に発生する害虫に対する防除剤とのイメージを持たれている方が多いかと思います。これらの害虫に対してオルトラン粒剤は定植時にお使いいただけますが、生育初期には同時にネキリムシ類が問題となります。そこで1剤で地上の害虫とネキリムシ類との同時防除ができればと考え、2019年より日本植物防疫協会の委託試験を開始いたしました。
その結果、キャベツ、はくさいおよびブロッコリーについて適用拡大申請に必要な例数が揃ったため2021年2月9日付で申請を行い、同年9月29日付で登録を取得いたしました。既存の薬剤と比較しても遜色のない効果を示しておりますので、是非ともお試しいただけますと幸いです(図1、図2および図3参照)。