近年、都市近郊のナシ栽培における課題として、ナミハダニ(Tetranychus
urticae)の防除が挙げられます。これまで、ハダニ類に対する防除は、化学的防除(殺ダニ剤)に大きく依存してきました。その中、ナミハダニにおいては、多くの殺ダニ剤に対する薬剤感受性の低下が報告されており、特に関東近郊のナシ園で問題が顕在化しています。化学殺虫・ダニ剤のみ用いた慣行防除だけでは、ハダニ類の被害を抑えることが出来ないため、天敵殺虫剤
ミヤコカブリダニや微生物殺虫剤を併用した防除体系(IPM)への見直しが必要とされています。
改めて、弊社ミヤコカブリダニ剤 「スパイカルプラス」 の製品特徴と効果的な使用方法、また、ナシ園における有効性および今後の課題のについて述べさせていただき、一層の普及推進につなげていきたいと考えています。
<スパイカルプラス>
「スパイカルプラス」 は、捕食性天敵ミヤコカブリダニと 餌としてサヤアシニクダニが紙袋パックに小分充填された製品です。紙製パック内で餌を捕食し増殖したミヤコカブリダニが数週間にかけて紙製パックから放出され、作物上に広がり、持続的な防除効果を発揮します。
現在、天敵殺虫剤として市販されているミヤコカブリダニ剤には、剤型がボトル剤と吊り下げ型パック剤もの2種類、餌が入っているものと入っていないものに分けられます。弊社のミヤコカブリダニ剤は、ボトル剤のスパイカルEXを含め全てに餌が含まれており、輸送・一時保管時に品質が低下することなく、有効成分であるミヤコカブリダニの活性が高い状態でご利用者のもとにお届けできます。
<ミヤコカブリダニ生物学的情報>