北海道は雪解け時期(4~5月頃)の肥料吸収効率が悪い為、春先に肥料を大量に使用するケースがあり、その際に気温が一度急上昇すると急激な肥料吸収により、徒長気味になる等の生理障害が作物に発生し、夏場の生育に影響を及ぼしてしまいます。 |
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新設のハウスでは、そのような状況下においても一定の温度・生育管理ができる事を目的としておられました。特に栽培されているフルーツトマトは、葉の面積が大きくなってくると管理はしやすくなるが、その分トマトに味を乗せるための養分を必要とする等、管理に気を使うことが多いとの事。そんな中で育苗期に有用微生物入り土壌改良資材
『トリコデソイル』 を、定植直後に植物由来成分入り葉面散布用肥料『ハーモザイム』 をご使用いただきました。
2つのBS剤の良いところとして遠藤さんは、「他社同系統の資材と比較しても、効果の発現までの時間が目に見えて早く、また寒さ
(外的ストレス)にも強くなることからも使用メリットは大きい。しかし一方で、添加している微量要素の内容量が少ないので、場合によっては微量要素を追加する等の調整も必要な点が、より使いやすさを追求する上で課題ではないだろうか」
と改善点を踏まえて話してくださいました。ハーモザイムは、生殖成長と栄養成長が同時進行するトマトを栽培する上で、例年問題が発生する時期の1か月前に施用したところ、散布2週間後ほどで効果が見られ、その結果、外的ストレスに左右されることのない収量の安定が図れました。
今後のBS剤への期待としては、「基本的に今までこういう外的ストレス下における【バランス調整・コントロール】
を主目的とする資材はなかった、もしくは認知されてこなかったと思う。しかし、こういう資材が出てきたことにより、栽培・施肥管理が楽になり、反収量を上げやすくなって来るのではと考えている。その為にも、それぞれのBS剤の使い方と使用することで得られる効果を作用機作から理解をし、それを生産者に伝えることをメーカーに期待したい」と話していただきました。
「例年通り」「平年並み」という言葉が使いにくくなってきている近年の天候状況において、外的ストレス下におけるBS剤の役割と生産者からの期待に応えられるように、我々も栽培と作用機作の理解と周知に努めたいと改めて思います。