アリスタ通信 『リモスワセット』発売より1年
 
 
『リモスワセット』発売より1年
 
アリスタ ライフサイエンス(株)
プロダクトマネージャー 田中 栄嗣


アリスタが提供するIPM基幹剤、天敵製剤 『スワルスキー』 と 『リモニカ』を組み合わせたセット商品 『リモスワセット』 が2019年2月に上市され1年以上が過ぎました。

販売開始に合わせ、ご利用者よりご意見をいただくモニタリング アンケートを同時に実施して参りました。今回は、アンケートの結果と宮崎で実施された施設キュウリ圃場での実証試験結果を報告させていただきます。
リモスワセット (アリスタライフサイエンス)


モニタリングアンケート結果

現在までに56件のご感想とご意見をいただいております。その中で85%という多くのご利用者様より 「次作でぜひ使いたい(図1)」 というご感想をいただきました。ご利用になられた栽培作物の内訳は、ピーマン 32件、キュウリ 12件、その他 12件です。特にピーマン、キュウリの生産者様より高い評価をいただきました。

この機会に 『リモスワセット』 をご利用いただいたお客様の内、スワルスキーなどの天敵製剤利用経験がある方々が35% いました(図2)。

また、天敵製剤利用経験者で現在は利用しておらず、この機会にご利用いただいた方の95%が 「次作でぜひ使いたい」 とのご感想いただきました(図3)。

『スワルスキー』と『リモニカ』を組み合わせることで、今まで防除効果に疑問や不安を抱え、継続的な使用を控えていた生産者様に安定した防除効果を実感いただいたことと感じております。
『リモスワセット』アンケート結果



現地実証試験結果
2018年秋、宮崎県内でキュウリ促成栽培を行っている生産圃場において、『リモスワセット』 をご利用いただき、『リモニカ』 の有効成分であるリモニカスカブリダニと 『スワルスキー』 の有効成分であるスワルスキーカブリダニの定着状況、対象害虫アザミウマとコナジラミの防除効果を確認することを目的とした現地実証試験にご協力をいただきました。

なお、カブリダニの定着、対象害虫の発生状況は、宮崎大学農学部にご協力をいただき、確認、計測しております。カブリダニの定着状況に関しては、アザミウマの発生が少し確認できた1月8日までの期間は、アザミウマが確認できた周辺でカブリダニも確認され、その後、4月19日までアザミウマは確認されませんでした。4月19日以降アザミウマ幼虫が継続的に確認されはじめ、同時にカブリダニも頭数が大きく増加し、アザミウマのハウス内での増加を抑えられた結果となりました。ハウスの一部で黄化えそ病が発生したもののハウス全体に広がることはありませんでした(図4参照)。
リモスワセット 現地実証試験結果
また、今回の試験では、栽培終了後に定着しているカブリダニの同定を宮崎大学農学部にご協力をいただき、実施いたしました。全体でみるとリモニカが44%、スワルスキーが56%という割合となっており(図5参照)、どちらの種も圃場に定着していたことを確認することができました。
但し、ハウスの棟によって優先種が異なる結果となっていたため、温湿度や発生害虫の違いなど環境次第ではどちらかの種に偏る可能性も示唆されました。
リモスワセット 現地実証試験結果

引き続き、『リモスワセット』 をご利用いただき、『リモニカ』 と 『スワルスキー』 同時放飼による安定した防除効果を実感いただければ幸いです。
 
※2020年7月31日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。