アリスタ通信 中国 成都で開催されたバイオコントロールアジアからの報告
 
 
中国 成都で開催されたバイオコントロールアジアからの報告
 
アリスタ ライフサイエンス(株)
技術顧問 和田 哲夫


9月23日から25日まで米国のニューアグ インターナショナル社 (New Ag International) と世界の生物農薬、バイオスティミュラントの団体などの共催で開催された掲題の講演会、展示会についての報告です。


中国での生物農薬について:
まだスパイデックスや、スワルスキーなどの天敵昆虫はほとんど使用されていない。
これは中国政府が天敵昆虫の輸入を禁止しているのが理由ですが、本心は、中国国内で増殖させたいという自国産業の保護が目的のようです。
そのため、コパート社をはじめとして、欧米の天敵会社はマルハナバチしか輸入していません。それも小さな巣を輸出して、中国で1か月以上蔵置してから、出荷するという変則的な出荷をしています。

中国の特色としては、漢方薬農薬が多いのですが、あまり出荷金額は大きくないとのことです。一番使われているのはBT剤で、20億円弱出荷されています。これは日本の約2倍ですが、耕作面積から考えれば、まだ微々たる量です。また中国では、抗生物質系農薬、発酵生産の殺虫剤、たとえばアバメクチンなども生物農薬のカテゴリーにいれているので、注意が必要です。

中国で、天敵を利用した野菜・果樹が日本に輸出されるようになると、日本の野菜・果樹生産でも、天敵利用がさらに増えるであろうと、ヨーロッパで、モロッコやスペインから安い野菜が北ヨーロッパに輸出されることの対抗策として、オランダ、イギリスなどで天敵が使われるようになったという歴史などについて、日本バイオコントロール協議会メンバーとして、講演しました。

またバイオスティミュラントについては、生物防除より盛んでブースが40近く、生物農薬より人気が高いようでした。
これが現在の世界のトレンドかもしれませんが、競争が激しくなり、各国政府もどの範ちゅうにBSを組み込むか、額を寄せ合って考えているとのことです。日本でも日本バイオスティミュラント協議会が中心となって、規格、分析法などについてのガイドラインを作成中です。

中国 成都で開催されたバイオコントロールアジアからの報告

※2019年11月25日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。