天敵導入当初は、「タイリク(タイリクヒメハナカメムシ)」+「ククメリス(ククメリスカブリダニ)」でアザミウマとコナジラミの防除を試みましたが、安定した効果が得られませんでした。「スワルスキー(スワルスキーカブリダニ)販売開始後に「タイリク」+「スワルスキー」
の組み合わせで導入したところ、「スワルスキー」の高い定着・増殖能力のおかげでうまく防除ができるようになり、効果が安定しました。
また、アブラムシ対策に 「アフィパール(コレマンアブラバチ)」は販売当初から利用していましたが、バンカープラント
「アフィバンク」 を導入することで、より一層 効果が安定すると感じておられます。
~ 天敵利用のポイント ~
特別栽培に取り組まれているため、ネットの展帳、ホリバーの設置などの物理的防除でまずは害虫の侵入を減らしています。定植時
(今年は、2/25) にベストガード粒剤を処理し、4月上旬にチェス顆粒水和剤を散布し、中旬に 「アフィバンク」
を導入、その1週間後に 「スワルスキー」 と 「アフィパール」 を放飼、5月上旬に 「タイリク」 を1週間おきに2回放飼し、再度
「アフィパール」 を5/9、5/16の2週連続導入しました。害虫への防除効果を実感されているからこそ、「長年の経験上、このタイミングで天敵を導入するよ。」
と言ってくれます。
その他にも、天敵導入後約2週間は薬剤の散布、整枝などを行わず天敵の早期定着を促しておられます。
~ 天敵を利用するメリット ~
害虫防除にかかる労力の軽減が一番大きいと感じられています。
シシトウは、坪単価の高い作物であるが、収穫、選果に時間がかかるので、省力化に寄与するところは大きいようです。また、農薬の散布回数を減らすことにより、人や環境に対する影響も考慮されています。
その他には、減農薬によって土着のタイリクヒメハナカメムシの発現や、特別栽培 (減農薬) を行っていることで、有利販売に繋がっています。
「今後も天敵を利用していきたい」 とありがたいお言葉をいただきました。
近年気候変動もある中、天敵の使用時期や方法など情報共有をはかり、シシトウ栽培に活用いただけるよう勧めていきたいと思います。