これまでの連載で、「バイオスティミュラントとは何か?」 をいろいろな角度から語ってきました。今回は一度それらを整理して、その作用を体系化することに挑戦したいと思います。
既に、海藻やアミノ酸や腐植酸などがバイオスティミュラントに当たるということは述べました。単独の資材の効果は、それぞれの資材提供メーカーが有用性を説いています。ところが、これらが植物にどのような作用を発揮しているかを系統的に説明している著作にはなかなか出会うことができません。バイオスティミュラントは植物の生理や土壌・根圏環境になんらかの有益な刺激を与えますが、その作用は多種多様です。
そのため、まずその作用の全容を体系的に整理しておくことは、実際の栽培場面において、いつどの資材を使ったらよいのか、どうすれば増収や品質改善が期待できるのかを理解する上で大変役に立つことでしょう。
バイオスティミュラントのベネフィットを4つに分類
まず、バイオスティミュラントに求められる便益を大きく4つのグループに分類しました。
① 植物の栄養吸収強化
② 生長刺激
③ 増収
④ 非生物的ストレスに対する抵抗性