熊本県のJA熊本市ナス部会は部会員173名、栽培面積70haを誇る全国有数のナス部会です。同部会では昨年よりスワルスキーの試験を開始し、その成果をあげてまいりました。今回はこの大所帯を部会長(2009年)として引っ張ってきた寺田さんにお話を伺いしました。
「安心・安全なナスを食卓へ」 「ナス栽培を始めてから約20年が経ちますが、このスワルスキーが初めて取り組む天敵でした。スワルスキーは普及所からの紹介だったのですが、最初は正直なところ半信半疑で昨年の3月に試験を開始しました。
しかし放飼時の害虫密度(アザミウマ)が高かったためうまくいきませんでした。ただしスワルスキーをうまく使うことができれば散布労力の軽減につながること、何より安心・安全なナスを消費者へ届けることができるという感覚をつかむことができたので、昨年10月に再度試験にチャレンジしました。」
「この再試験では10~12月を前期(10月放飼)、1~2月を厳寒期、3~6月を後期(3月放飼)と分けて考え、さらに青ホリバーを併用することで、前期は害虫密度が低く抑えられ、防除回数も減ったことから樹勢も維持でき、秀品率の向上へつながりました。厳寒期は春へ向けた徹底防除期として捉え、薬剤防除へ切り替えましたが、この徹底防除がスワルスキーを成功に導く要因なのではないか、と感じています。後期は害虫密度があがることもありましたが、選択的農薬を使用することで十分防除できましたし、スワルスキーの密度も維持することができました。」
「今回の試験導入で感じたスワルスキーを使う際の注意点としては、夜温管理、選択的農薬の使用、厳寒期の徹底的な薬剤防除、青ホリバーの使用ではないでしょうか。
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