1. マルハナバチの発見
マルハナバチがトマトにとっての最高の授粉昆虫であるということは、1985年に「発見」されました。その独特の振動授粉方法によって、それまでのスタンダードであった手動での授粉やトマトトーンと呼ばれる合成ホルモン剤にとってかわってきたのです。
マルハナバチでの授粉の利点とは?
・増収効果 (20%~35%)
・低コスト (人件費に比較すると格段にコストセーブとなります)
・高品質のトマト (果実の形、保存性向上、味の向上)
・簡単な授粉チェック (バイトマークにより目視で確認が可能)
・房付きトマトの出荷が可能
・ハウス内での殺虫剤の使用の減少・・・IPMの実現、残留量の減少につながる
2. マルハナバチの商品化
1987年に初めてベルギーにて商品化し、同年オランダでも販売を開始。
1993年までにマルハナバチの利用はヨーロッパ、カナダ、米国、ニュージーランド、イスラエル、日本などでは標準となりました(訳者注:
日本への導入は1991年)。その後、メキシコ、韓国、トルコ、チリや中国へと広がっていきました。
当初、マルハナバチはトマトだけでしか、利用されていませんでした。1993年頃より徐々にイチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなどでも利用されるようになりました。現在は、100種類以上の作物で利用されていますが、90%以上で利用されているのは、8作物と考えられています。