アリスタ通信 天敵利用・素朴なQ&A 熊本の現場での天敵談義よりアドバイス事例教えます
 
 
天敵利用・素朴なQ&A
熊本の現場での天敵談義よりアドバイス事例教えます
 
アリスタ ライフサイエンス(株) フィールドアドバイザー 荒木 均


【質 問】
スワルスキーカブリダニ(以下、スワルスキー)の捕食害虫を具体的に教えてください。
捕食する害虫がいない時は何を食べて生きているのですか??

【回 答】
スワルスキーは雑食性。生きるために花粉など何でも食べるようです。スワルスキーの体長は0.3ミリ程度。この大きさと同程度の害虫であり、動きが鈍いなどの幼虫が捕食対象となるようです。アザミウマ類は一齢幼虫5~6頭を捕食、卵は葉肉内にあるため捕食できません。ヒラズハナアザミウマの一齢幼虫はやや大きいため捕食量が少ないようです。コナジラミ類の卵は15卵、一齢幼虫は最大15頭程度と、あまり動かないので捕食しやすいようです。
対象害虫の成虫は捕食できませんので、化学農薬などの防除が不可欠です。このため、「ホリバー」などの粘着板は有効な防除手段となっています。

スワルスキーを放飼したハウス内の作物を見ると、“葉裏に食害痕などがあっても幼虫が殆ど見えないこと”  が防除効果の証です。対象害虫の成虫がハウス外から飛んできて、葉裏に産卵・孵化してもスワルスキーが捕食するので、唯一ハウス内で害虫を増やさない手段となります。
それから、スワルスキーはチャノホコリダニも30頭/日 程度捕食するようで、ピーマン・ナスなどでは助かっています。このほか、ミカンハダニも捕食対象害虫となっています。
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巡回調査で、農家の皆さんからコナジラミやアザミウマなど、殆どいない時、「スワルスキーは何ば食て生きとっとや?」とよく質問があります。
そこは、スワルスキーも生き物ですから抜け目はありません。観察していると、動きも早く、花粉、微小昆虫や死骸、うどんこ病菌が付着している葉の中などに見られ、これらを食べているようです。
一例として、パプリカの葉と花に定着しているスワルスキーの頭数調査結果を見ていただくと、多い時には花の中のスワルスキーを35頭/10花も見られ、因みに対象となる害虫はゼロでした。

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※2019年2月5日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。