◎天敵放飼結果
スワルスキーは、3月15日放飼以降、定着・増殖し、6月27日の調査終了日には葉当たり4頭も見られるまでに増殖した。アザミウマ類成虫は、5月に入り葉当たり0.5頭観察されたが、殆ど増えることはなかった。これは順調に増殖したスワルスキーによって幼虫が捕食され、個体数をしっかり抑えられたことによる。アザミウマ類幼虫が6月に入って増えたので、6月27日にベストガード水溶剤でアザミウマ、コナジラミを「レスキュー防除」されたが、スワルスキーも十分増えていたのでこの防除は必要ないと考えている。
一方、スイカ作で良くみられるカンザワハダニが4月になって入り口付近の調査葉に100%寄生し、1葉平均60頭程度見られたため、スターマイト、カネマイトで防除後、スパイデックス(チリカブリダニ)を3本放飼した結果、6月7日の調査ではほとんど見られなかった。
以上のように、この地区では「施設園芸作で周年天敵利用」が普及してきています。何より、高齢農家の皆さんの声としてあがってくるのが「30度以上にもなるハウスの中での農薬散布が減ったことが一番、以前はコナジラミ類が増えて鼻や耳にも入るほどだったが、天敵を利用したらコナジラミ類がまばらに飛ぶ程度」という評価をいただいています。