ボタニガードESは、これまでアザミウマ類やコナジラミ類に対する微生物殺虫剤として多くの作物で利用されてきましたが、近年その他の病害虫に対しても活性が高いことが判明し、適用拡大を進めています。2017年に野菜類のアブラムシ類に適用拡大したのをはじめ、2018年には野菜類のハダニ類、シソのマデイラコナカイガラムシとチャノホコリダニに適用拡大しました。今回は、ハダニ類に焦点を当て、イチゴのハダニ類に対する使い方について提案したいと思います。
イチゴのハダニ類に対しては、反当たりにスパイカルEX (ミヤコカブリダニ)
1本とスパイデックス (チリカブリダニ) 3本を10月下旬頃に同時放飼し、年明けにスパイデックス
(チリカブリダニ) 3本を追加放飼するIPM防除プログラムが確立されています。しかし、各地で殺ダニ剤の感受性低下が問題になってきており、天敵導入前にハダニの密度を下げてから「ゼロ放飼」したいのですが、ゼロにするのが困難な状況になっています。そこで主に気門封鎖剤を利用する生産者が増加しています。
そのような状況の中、ボタニガードESが野菜類のハダニ類に対して適用拡大されました。ボタニガードESは製剤中に油成分が含まれていることが知られており、気門封鎖剤のようにハダニに活性を示すと思われがちですが、有効成分であるボーベリア
バシアーナ菌がハダニに感染することが確認されています(写真1)。