アリスタ通信 「ボタニガードES」のイチゴのハダニ類に対する使い方
 
 
「ボタニガードES」のイチゴのハダニ類に対する使い方
 
アリスタ ライフサイエンス(株) 技術普及マネージャー  里見純


◆イチゴの天敵放飼前の推奨防除例
 
⇒ 天敵放飼3週間前 【アファーム乳剤】+【ボタニガードES】
⇒ 天敵放飼2週間前 【ボタニガードES】 or 気門封鎖剤
⇒ 天敵放飼1週間前 【コロマイト水和剤】+【ボタニガードES】
⇒ 天敵放飼2~3日前 【マイトコーネフロアブル】 +【ボタニガードES】
⇒ スパイカルEX×1本+スパイデックス×3本/10aが基本放飼量!!


ボタニガードESは、これまでアザミウマ類やコナジラミ類に対する微生物殺虫剤として多くの作物で利用されてきましたが、近年その他の病害虫に対しても活性が高いことが判明し、適用拡大を進めています。2017年に野菜類のアブラムシ類に適用拡大したのをはじめ、2018年には野菜類のハダニ類、シソのマデイラコナカイガラムシとチャノホコリダニに適用拡大しました。今回は、ハダニ類に焦点を当て、イチゴのハダニ類に対する使い方について提案したいと思います。

イチゴのハダニ類に対しては、反当たりにスパイカルEX (ミヤコカブリダニ) 1本とスパイデックス (チリカブリダニ) 3本を10月下旬頃に同時放飼し、年明けにスパイデックス (チリカブリダニ) 3本を追加放飼するIPM防除プログラムが確立されています。しかし、各地で殺ダニ剤の感受性低下が問題になってきており、天敵導入前にハダニの密度を下げてから「ゼロ放飼」したいのですが、ゼロにするのが困難な状況になっています。そこで主に気門封鎖剤を利用する生産者が増加しています。

そのような状況の中、ボタニガードESが野菜類のハダニ類に対して適用拡大されました。ボタニガードESは製剤中に油成分が含まれていることが知られており、気門封鎖剤のようにハダニに活性を示すと思われがちですが、有効成分であるボーベリア バシアーナ菌がハダニに感染することが確認されています(写真1)。

「ボタニガードES」のイチゴのハダニ類に対する使い方

「ボタニガードES」のイチゴのハダニ類に対する使い方


ボタニガードES 1000倍のハダニに対する効果は非常に高く、対照薬剤とほぼ同等の効果を示しました。他の試験例でも、この試験と同様の結果が報告されています。

ボタニガードESでハダニが減るという話は聞いたことがありましが、ここまで高い効果があるとは想定していませんでした。効果があるとしても油成分による気門封鎖的な効果であろうと考えていましたが、ボーベリア バシアーナ菌に感染したハダニも確認されて、ボタニガードESのハダニに対する効果を再認識したしだいです。なお、最初に記載したようにボタニガードESはアブラムシ類に対しても適用拡大いたしました。上のグラフ1と同時に試験したイチゴのアブラムシ類に対する試験結果がグラフ2です。ハダニ類とアブラムシ類の同時防除が可能であると言えます。

「ボタニガードES」のイチゴのハダニ類に対する使い方

さて、ボタニガードESのイチゴでの役割は、以下のように考えています。
① ゼロ放飼のための殺ダニ剤の効果を補完するため
② 使用回数の制限がないことから、気門封鎖剤の代替品として

なお、ボタニガードESは500倍で散布すると天敵類に対して影響があることが報告されています(本号の宮城県病害虫防除所の文書を参照のこと)。ハダニ類に対する希釈倍数は1000倍ですが、天敵類に対して多少影響があるため、天敵放飼前の使用を推奨いたします。そこで、今年のイチゴカレンダーのボタニガードESの位置づけは、本稿冒頭のように提案しています。天敵放飼前にボタニガードESを用いることで、ハダニ類だけでなく、初期のアザミウマ類、コナジラミ類、アブラムシ類に対しても密度を下げる効果を期待しています。


天敵利用に当たっては「ゼロ放飼」が重要です。

放飼前に徹底防除することがトータルの天敵の放飼量を軽減することにつながっています。初期密度が低いうちに天敵を放飼し、年明けからの防除回数を軽減して、収穫や栽培管理に時間をかけることで、イチゴの品質向上にも役立てていただきたいです。
ボタニガードES
   

※2018年11月8日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。