その他、水ストレス(乾燥、浸水害、湿害)、塩ストレス (塩害、塩類集積)なども無視することはできません。昨年の北海道の湿害で大きな被害が出たことは記憶に新しいところです。
このような農業をとりまく環境の中で、近年 「植物が本来持っている能力を引き出し、植物の活力や収量、品質、収穫後の鮮度保持能などを改善させよう」
という技術に注目が集まってきました。
この技術を利用した製品群を 「バイオスティミュラント(Biostimulant)」
と呼んでいます。
実はバイオスティミュラント自体は、さほど目新しいものではなく、古くから農家が伝承的に使用していた資材も含まれています。近年の植物生理学の進歩により、ある種の天然素材が植物の環境ストレス耐性を強化することもわかってきました。その作用機序を再評価することによって、今バイオスティミュラントは大きな注目を集めるようになりました。
長年経験的に使用されている農業資材にも科学のメスが入り、その有効性が証明されてくるケースも見受けられます。
次号より、バイオスティミュラントの定義や種類、効果について、諸外国の動向もご紹介しながら、バイオスティミュラントとは何かを説明していきたいと思います。
どうぞご期待ください。