屁こき虫やヘッピリムシの呼び名でなじみ深いカメムシ(分類学的には半翅目の異翅亜目の仲間)は、‘におい’を発することでよく知られています。
カメムシを扱う研究者や愛好家はこの独特のにおいから、カメムシの名前を言い当てるほどで、その様はまるで、昨年にNHKで放映された刑事ドラマ「スニッファー
嗅覚捜査官」のカメムシ版のようです。
カメムシのにおいは、(E)-2-hexenal、(E)-2-octenal、OHE、(E)-2-hexenyl
acetate、(E)-2-octenyl acetateなどの複数の成分からなり、その組成は種類や成長段階により異なります。
臭気成分の中には、(E)-2-hexenalのような緑の香り成分が含まれています。そのため、私たちはカメムシを青臭く感じたり、時にキュウリやパクチーに似たにおいをほのかに感じたりするのでしょう。
カメムシの臭気成分には油に溶けやすい性質があるので、カメムシのにおいが手についた場合は、ついた部分にサラダ油やオリーブオイルなどを揉みこむようになじませ後、石鹸などで洗い落とすとにおいが消えやすくなります。