アリスタ通信 生産者の声(ハウスすだち、スワルスキー)
 
 
生産者の声(ハウスすだち、スワルスキー)
 
JAアグリあなん 営農販売部 担い手支援課
福井 沙織さん
 
すだち
JAアグリあなんがある徳島県阿南・那賀は、徳島県の南部に位置し、米、すだち、みかん、きゅうり、トマト、イチゴ、チンゲンサイ、サンチュ等 農業の盛んな地域です。

JAアグリあなんでは、IPMをハウスみかん、ハウスすだち、ハウスイチゴで取り入れて栽培を行っています。
JAアグリあなん  すだち部会 部会長である北條 春樹(55)さんは、22歳の時(33年前)に就農し、当時はハウスみかん12a、原木しいたけ6000本を栽培していました。

ハウスみかんに力を入れ、60aまで拡大しましたが、燃油高騰による影響は大きくハウスすだちへの転換を決意し、現在ではハウスすだち20a、露地すだち10a、チンゲンサイ20aの複合経営を行っています。

各品目の栽培管理は、春樹さん1人で行っており、収穫は妻である泉さんと2人で作業をしています。

毎日とても忙しく、そんな時IPMスワルスキーに出逢い、3年前よりミカンハダニ防除及び省力化対策として導入し始めました。

JAアグリあなん 営農販売部 担い手支援課 福井 沙織さん

また、天敵を入れることで、収穫までの農薬散布回数を減らし、安全で安心な農作物を届けられるように心がけています。

部会長として、〝ここ数年で、部会の努力によりすだちの市場流通価格が安定してきたことで、新規就農者が増えてきた。今後も、若い人が夢をもてるような部会活動をしていきたい〟と話してくれました。
 
知ってもらいたい 徳島県のすだち
徳島 すだち
“すだち”は、遠く万葉のむかしから愛用され、徳島に伝わった柑橘類の一種で、全国シェアほぼ100パーセントを占めています。

名実ともに徳島県を代表する果実が「すだち」で、ご当地マスコットにも起用され、愛嬌のある“すだちくん”として県民に親しまれています。

   
「すだち」の白い花
さらに、「すだち」の白い花は徳島県の花にも指定されており、その実は鮮やかなグリーンで、独特の「さわやかな酸味」と「すがすがしい香り」があり、古くから愛されています。

3月中旬から8月中旬にかけてハウスすだちが出荷され、それ以降は露地・貯蔵すだちが出荷されています。

最近では貯蔵技術が良くなったため、1年を通しておいしいすだちを届けられるようになりました。
料理の際の使い方には、搾る・擦る等があり、刺身・焼き魚・豆腐料理などに搾ったり、皮ごと擦ったものをつけ汁に加えたり、わさびに混ぜたりしても風味が出て美味しくいただくことができます。
また、“すだち”には、クエン酸が多く含まれているため、体内の新陳代謝をさかんにし、血液を新しくすることができるので疲労回復効果があります。さらに、醤油など塩分の多い調味料を控えることができ、含有成分カリウムには、体内の塩分を排出させる効果があります。

JAアグリあなん すだち部会における天敵スワルスキー導入の経緯
そもそもの導入目的は、“ミナミキイロアザミウマ”の対策でした。
当初はうまくいったかのように思われましたが、アザミウマでは補食が追いつかないため、現在ではハダニ対策となっています。

温暖なハウス内では、ミカンハダニの増殖は速く、多発すると果実品質を低下させるうえ、薬剤抵抗性の発達が早いことから難防除重要害虫となっており、新規薬剤と薬剤抵抗性ハダニのイタチごっこが繰り返されてきました。

このため、化学薬剤防除以外でハダニを抑える効果的な防除技術が望まれてきました。

そして、H22年にスワルスキー製剤が施設栽培のカンキツ類に登録され、ハウスすだちでの本剤導入2戸を始めとし、平成27年度には22戸で導入されるようになりました。

生産者の声(ハウスすだち、スワルスキー)

※2016年10月20日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。