~作る人、食べる人の安心・安全を作り出す~
私はもともと東京で発電システム関係の仕事に30年間従事し、Uターンで鹿児島県へ帰郷して2003年に就農し、その後に有機JAS農家となりました。
なぜ有機栽培を選択したかというと、ちょうど帰郷を決意した頃に食品偽装などの問題が世間で騒がれており、それで食べ物に対する安全意識が芽生え、自分で栽培するならば、健康にこだわり、安心・安全なものを作りたいという思いで有機JASに着目しました。
~勇気がいるけれど 『有機』 が良い!~
有機JASでピーマンを栽培し始めてから、第一課題でアザミウマとハダニの防除に困りました。化学農薬は使わないので天敵を利用したのですが、当初はスワルスキーが無く、好結果が得られませんでした。
スワルスキーを利用開始してからはアザミウマの問題も解決され大変助かっています。ハダニについても、パック製剤
スパイカルプラス(ミヤコカブリダニ)を使用し、発生量が多い時はチリカブリダニ剤
スパイデックスと併用で防除できています。
次なる課題として、病気対策に取り組みました。ある程度はハウス内の温度・湿度コントロールで抑えられたのですが、うどんこ病はそれだけでは防除できず、硫黄くん煙を知り、活用する事で発生を抑えられるようになりした。
そして今は第三課題として、アブラムシの防除問題に取り組んでいます。実際、数年前にアブラムシが大量に増えてしまい、かなり手痛い経験をしました。モモアカアブラムシやワタアブラムシについては、アフィバンクやその他バンカー植物(トウモロコシなど)を育てながら、アフィパール(コレマンアブラバチ)とテントウムシ剤で防除できるようになりました。
しかし、ジャガイモヒゲナガアブラムシは防除できないので、今作で土着天敵のギフアブラバチを試しているところです。ジャガイモヒゲナガアブラムシは例年、必ず被害が出る害虫ですが、今作はまだ見られませんね。バンカー植物を用いた天敵利用技術については、私の栽培に合った、より良い体系がないかとまだ勉強中です。
※ギフアブラバチは「ギフパール」として商品化されることを お伝えすると、さっそく来作で使用すると回答を頂きました。