アリスタIPM通信 環境省と農林水産省が公表した、『生態系への影響が懸念される外来種のリスト』について
 
 
環境省と農林水産省が公表した『生態系への影響が懸念される外来種のリスト』について
 
3月26日に環境省と農林水産省(以下、農水省)が生態系への影響が懸念される外来種のリストを公表しました。

今回のリスト作成は、3月26日に環境省より公表された「外来種被害防止行動計画」の一環になります。http://www.env.go.jp/press/100774.html

リストの内容をすべて説明するのは難しいのですが、2006年に施行された「特定外来生物被害防止法(略称)」の運用から9年が経過、これまでに出てきた問題点や課題を洗い出し、その解決に向けて補足、追記したものになります。

また、来る2020年を一つの目安として、環境省、農水省ほか、関連する行政機関(地方自治体含む)が連携して、ここに記された方針と計画に基づき外来種問題の解決に向けて行動することになります。

中にはセイヨウオオマルハナバチに言及した部分が6箇所出てきますが、今回公表した行動計画で特筆すべきは、

1. 不適切な管理を行う飼養施設の改善や、セイヨウオオマルハナバチやその代替種を利用することにより生じる様々なリスクを踏まえた利用方針が明確に示されていないことが課題とした上で、

2. セイヨウオオマルハナバチの適正飼養管理の指導啓発において、農業改良普及員等の農業行政指導機関も加わる(※これまでは地方環境事務所のみが対応。)

3. 「在来種への転換を推進する」ことを環境省としても明記したこと(※これまでは農林水産省のみが在来種への切替を推奨)

4. 製品化された在来種を本来の生息地から異なる地域へ移送させることによって生じる国内外来種の生態リスク管理の必要性も唱えられており、クロマルハナバチを北海道で利用することは環境省の方針として否定されたこと

5. 人工増殖された製品は遺伝的に偏った形質をもつため、野外へ無秩序に放出された場合には、たとえ在来種であっても、自然分布域外への侵入や地域個体群の遺伝的攪乱のおそれがあることを指摘


以上、非常にかいつまんだ説明ではありますが、国としてセイヨウ種から、生態系等に係る被害を及ぼさない在来種に切替えることを方針として明確化したことになります。

※2015年5月7日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。