カネコ種苗が取り扱う商品は種苗、農薬、肥料、農業資材等であり、いつの時代も農業従事者のニーズに応えてきました。農業をあらゆる面から支援していくために、IPMへの取り組みは欠かせません。IPMを推進するにあたり、天敵『スパイカル』と『スパイデックス』の利用がイチゴの大産地であるこの栃木で始まったことが大きな足掛かりになったと言えるでしょう。
ただ、『スパイデックス』の発売当時は今のようなマニュアルも無く、ハダニが出てから使用するという、今では考えられない勧め方をして、当然失敗ばかりでした(苦笑)。『スパイカル』が登場し、マニュアルが整備されてからは成功する方も増え、省力化につながるということでイチゴ農家に勧めやすくなりました。
天敵は細かいフォローが必要なので、栽培講習会や地域の会合にも積極的に参加し、生産者の不安や疑問に直接向き合ってきました。今では栃木県の大半のイチゴ農家の方が使用するようになり、天敵普及に貢献できたと考えています。
天敵農薬の利用が拡大していく上で、併用できる農薬が鍵になる場合が多くあり、それが悩みのタネでもあります。昨年から販売が開始された微生物殺虫剤『パイレーツ粒剤』は、アザミウマの幼虫・蛹に感染するというこれまでに無かった殺虫機構で、天敵との併用も可能なので期待しています。多品目の作物で活躍が見込めるのではないでしょうか。
栃木県はこれまでイチゴの天敵とトマトの『ナチュポール』が主体でしたが、今後はナスやキュウリといった他作物や果樹類、『パイレーツ』や土壌改良資材『トリコデソイル』といった微生物等にも力を入れていきたいと思います。
アリスタさんとは、より幅広い作物で天敵を利用できるよう使用方法や使用場面を一緒に模索していきたいですね。これからも栃木の農業を盛り上げていくために、地域に寄り添いながら一層の研究と努力を重ねていきたいと思います。
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