1. 世界の微生物農薬の傾向
ヨーロッパの大手化学農薬メーカーも最近は微生物農薬を推進、推奨しています。
バチルス・ズブチルス剤(バチスター水和剤もその一つですが)は、作物の灰色かび病、さび病、菌核病、細菌病、土壌病害などの作物病原菌に対して効果があります。しかし、これらの微生物農薬は病害を防除するだけでなく、農業環境をより健全にします。また収穫物の品質を向上させもします。総合的な作物保護剤として、微生物農薬はフードチェーン下流までの損害を最小にします。つまり、運送中や、加工業者、消費者までの間での生産性をあげることにより、農家は利益を享受することができるようになります。
2. ジョージア大学: ドーン・オルソン教授の話より
米国では、BT剤の遺伝子をワタやトウモロコシに組み込んで、チョウ目の害虫を防除することが10年以上前から、行われています。当初から、害虫に抵抗性がついて、効果がなくなるのではという問題が予想されていましたが、最近では、カメムシやアブラムシが発生し、またチョウ目の害虫も残ってしまうとのことで、殺虫剤であるピレスロイド剤などを散布しているそうです。
アブラムシは微生物である自然に発生する昆虫疫病菌(Pandora属)などによりなんとか、凌いでいるようです。微生物剤は結構効果の範囲が広く、なんども他の剤と混用することでより効果がでてくることは3ページ目の特集1.にあります黒木さんの原稿のとおりです。なかでも、ボタニガードES・水和剤やマイコタール、BT剤のジャックポット顆粒水和剤などはお勧めです。
3. スペインのバレンシア、アルメリア地方政府では
今年から施設栽培でのパプリカやトマトにおいて、天敵昆虫の放飼を原則として2回以上、中心に据えるよう法律が施行されることになりました。
法律で天敵の利用を義務付けるというのは、異例の措置ですが、スペインのハウス野菜類は、主に、ドイツ、イギリス、フランスなどに輸出されているため、このような措置が取られたと推定されます。 また続報があれば、ご連絡いたします。
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