タイリク、スワルスキーから土着天敵の活用へ
天敵を導入して15年以上になるけれど、最初はアザミウマ防除にタイリク(タイリクヒメハナカメムシ)を導入したことがぼくの天敵利用の始まりでした。タイリクは苗を定植した直後の8月20日ころに放飼。当初はよく増えて働きも申し分なかったけれど、だんだん気温が下がり、日が短くなってくると数が減ってくることが弱点でしたね。
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宮崎 昭雄さん
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そしてスワルスキーの販売開始とともに導入を開始して、一昨年からは土着天敵のタバコカスミカメも使い始めた。 8月中旬に苗を定植してから、その1週間後には スワルスキー、スパイカルEX、アフィパールを同時に放飼して、あらかじめハウスの外に植えておいたゴマの株に集まってきたタバコカスミカメをゴマの株ごとハウスの中に入れてやる。
ポイントは放飼のタイミングとバンカープラント活用
アザミウマは、特にタバコカスミカメを使い始めてからは今ではほとんど怖くなくなりましたね。ハウスに少しいるだけでそれも放っておけばいなくなる。去年は結局天敵導入前に一度農薬を撒いただけで、その後は一度もアザミウマ防除はせずに済みましたよ。タバコカスミカメは冬場でもよく働いてくれるので、タイリクに代わって使うようになっています。スワルスキーもアザミウマ防除に関しては今や補完的な位置づけですが、チャノホコリダニ防除によく効くのでこれは欠かせません。スワルスキーは8月に導入してから、ハウス内で冬越しもしてくれて、春にも3月20日頃に入れますが、それまでも結構生き延びてくれます。アゲラタムや宿根バーベナをバンカープラントとしてハウスの中に植えておくとより定着しやすいですよ。
アブラムシ防除はバンカープラントとしてソルゴーをあらかじめ外に植えておいて、それにアブラムシがついたらハウスの中に入れる。そして他の天敵と一緒にアフィパールを定植1週間後に放飼する。それでもアブラムシが発生することはあるので、去年は農薬を2回ほど部分散布してアフィパールを追加放飼した。アブラムシ防除については導入のタイミングがまだつかめていないところもあって、もう少し勉強が必要ですね。 ハダニ防除は、スワルスキーと同時にスパイカルEXを入れる。その後、ハダニが増加傾向だったら、被害が広がらないうちにスパイカルEXとスパイデックスを同時に放飼することでほぼ問題はなくなります。
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