現地レポート2
マルハナバチ初期飛行の訪花誘導効果
マルハナバチ初期飛行の訪花誘導効果
藤本 豊秋
- アリスタ ライフサイエンス農薬ガイドNo.81/G (1996.10.1) -
雨よけハウス紫外線除去フィルム下でも確実に利用できるようj初期飛行の時、巣箱の設置してあるハウス1棟を防風ネットで被覆し、トマトに訪花するよう誘導し、その後ネットを除去する方法について検討した。
(1)方法
図のように巣箱を紫外線除去フィルム被覆ハウスの中央に設置し妻部および側面を5mm角の防風ネットで被覆した。
巣箱の導入日と巣箱の蓋を開けた時間、ハウスの側面および妻面の開放時間は表の通りである。
(2)結果および考察
飛行開始直後から観察した結果、巣箱を開けるとハチはビニル天井に当たりながらトマトの支柱より高い地上2~3mの所を左右に数m往来し、その後20m離れた妻面に向かって飛来、片側の妻面ネットには10匹が取り付き、ハウス外に出ようと懸命になっていた。
約30分後、1匹また1匹とネットから外に出るのを諦め、地上1mにあるトマトを訪花するようになり、数分で妻面から全蜂が離れ訪花活動に移ったので、側面のみ開放した。
翌日、妻面のネットも除去したが、その後もハチは順調に訪花活動を続け、ホルモン処理の必要は全くなかった。
以上の結果、マルハナバチの初期飛行時訪花誘導効果が高いものと認められた。
(岐阜県可茂農業改良普及センター)
(試験は岐阜県高冷地農業試験場在職中に試験場において、1993年(平5)に行なった。)
巣箱設置 | 飛行開始 | 側面開放 | 妻部開放 |
H5.7.29 午後 4:00 |
7.29 午後 5:30 |
7.29 午後 6:00 |
7.39 午前 12:00 |