アリスタ ライフサイエンスからのお知らせ
当社の第1号ガラス温室について
- アリスタ ライフサイエンス農薬ガイドNo.80/G
(1996.7.1) -
アリスタ ライフサイエンスが輸入・販売するガラスハウスの第1号が昨11月、徳島県に完成しました。
すべての部材をオランダより輸入、技術者、ワーカーもオランダから5人派遣してもらい組立てを行ったこのガラスハウスは、ダッチライト式、フェンロー型などと呼ばれており、軒高が3.5~4mと高く、細かい屋根の連棟型のハウスです。このタイプのハウスはオランダの農村地域を回るとあちらこちらに見ることができ、日本にも10年程前から紹介されていましたが、価格が高く、耐風強度に難点があったためそれほど普及しませんでした。しかしながら、近年の円高により価格が下がってきたこと、オランダで耐風性や換気効率などに改良が加えられたため、最近ではトマトの生産者を中心に日本でも結構見ることができるようになってきました。
今後、施設園芸分野においては、さらなる大規模化、省力化による高い生産性、低コスト化、収穫物の高品質化が求められていくと考えられております。当社のガラスハウスはこのような新時代の農業にまさに適合した温室といえるでしょう。
このガラスハウスの概要を以下にご紹介します。徳島に建設したガラスハウスは間口約29m、全長約109mで総面積827坪(2,728.2・)。軒高は4.3m地上部から樋まで)、やねの棟の最高部の高さは4.8mとなっています。設計はオランダのNo.1温室メーカーであるダルセム社によるもので、オランダ商業温室規格に準拠したものとなっています。この基本設計に日本の気象条件を加味して、設計、建設されたのが今回の第1号ハウスです。ダルセム社は60年以上の歴史をもつ温室メーカーで、その歴史と技術力に裏打ちされたガラスハウスの品質、施工実績は世界中で高く評価されています。今回のハウスでは、特に耐風性を高めるための強化を行っており、柱を太くしたり、通常よりブレースを多めに配置、また屋根は強化タイプの屋根を採用しています。このハウスの部材ですが、避覆材は言うまでも無く4・ガラスを周囲、天井部に使用、柱、桁などの本体鉄骨部は亜鉛メッキされた角鋼管、C型鋼など、そして屋根部分はアルミニウムを使用しています。これらは、すべて厳しいオランダの規格を合格した信頼の置けるものです。
次に温室内部ですが、ここでも随所にオランダの技術が取り入れられています。すなわち、自動開閉シングルスクリーンシステム(遮光・保温用/LSまたはPHスクリーン)、ロックウール点滴灌水栽培システム、チュウブレール式温湯暖房システム、栽培管理コンピューターシステム、ハイワイヤー栽培システムなどを装備しています。室内の環境は、すべてコンピューターにより複合制御されており天窓、スクリーンの開閉、温湯暖房のオンオフにより温度・湿度管理、また灌水設備を制御することで適当な水量、施肥管理を行うことが可能となっています。もちろん急激な天候の変化の際や自分で管理を行いたい時には、マニュアルで管理することも可能です。
ハウス全景とハウス内環境制御コンピューター(下左)と灌水コントロール装置(下右) |
そして、当社ガラスハウスの特徴としては、・採光性および耐風性を考慮した温室構造、・高い軒高による換気効率アップ、・点滴灌水システムによるロックウール栽培で節水効果、・温湯暖房による安定した温度管理、・電動式作業台車による作業効率アップ(高所作業も可能)など園芸大国のオランダの栽培技術を生かしたハウスの設計、仕様、構造となっています。これによって、収穫期間の長期化、単位当りの収量のアップ、作業の省力化などが図れ、施設園芸において高収益型経営を目指してる方にピッタリです。
また、もちろんのこと、本ガラスハウスによって、作物だけでなく当社がオランダより導入しているマルハナバチ、天敵農薬にとっても最適な環境を作りだすことが可能ですので、期待通りの生物適防除の効果が得られること確実です。ぜひマルハナバチ、天敵農薬とガラスハウスをセットでお試し下さい。
(⑭アリスタ ライフサイエンスアグロテック課 目崎祥太)
トマトの栽培風景(ハイワイヤー、点滴灌水ロックウール栽培システム)
中央には高所作業カートがある