トマトの葉かび病(はかびびょう)
 
【葉かび病とは】
葉かび病は、糸状菌(かび)によって引き起こされます。
↓葉表
葉かび病は、施設栽培で発生しやすい病気です。
主に葉に発生しますが、葉、茎、果実にも発生します。
はじめ葉表に淡黄色の小斑点を生じます。病斑の裏側(葉裏)には、灰黄色のビロード状のかびが密生します。
↓葉裏
病斑が拡大すると灰緑色ないし灰紫色に変化し、葉の表面にもかびを生じます。
発生が進むと、ほとんどの葉が枯れて、収量が大幅に減少します。
 
 
【発病状況】
葉かび病は、20~25度で湿度が95%以上の条件下で発生しやすくなります。
施設栽培では、ハウスのビニールや支柱などの表面に付着して生き残った病原菌が伝染源となります。
また、被害残渣で生存し、そこで形成された胞子が飛散して伝染源となります。
発病した葉で増えた病原菌が、さらに風などで飛ばされて広範囲に広がります。
発病のしやすさは、品種間で差があります。
 
 
 
【防除のポイント】
前作で病気が発生した施設栽培では、次作でも発生する確立が高いので、日中の換気を十分に行って、ハウスの中をできるだけ乾燥状態にすることが大切です。
前作で病気が発生した圃場は、土壌消毒を行います。
排水を良好にするとともにハウス内が過湿状態にならないようにします。
密植を避け風通しを良くすることも重要です。
マルチを使い、土壌水分の蒸発を抑制するとともに、土壌からの病原菌の伝染を防止します。
発病の早期発見はとても重要で、発病した葉を見つけたら速やかに摘み取り適切に処分します。
化学薬剤は、「早い時期」から「定期的」に、「異なる系統の剤」を「ローテーション散布」します。
化学薬剤による防除は、「予防剤(「オーソサイド水和剤80」など)」を主体として行います。
 
 
 
 
 
 
 
「発生(発病)状況」や「防除のポイント」など、このページでご紹介した情報は一例です。
地域に「防除暦」などがある場合は優先的に参照して、注意点などをご確認ください。
対象病害虫、回数、収穫使用前日数などについては、使用前に必ずラベルを確認してください。