なしの黒星病(くろぼしびょう)
 
【黒星病(くろぼしびょう)とは】
「幸水」や「豊水」などの赤梨に発生しやすい病気です。
幼果に発生した黒星病
幼果に発生した
黒星病
「葉」や「葉柄」や「果実」に黒いススが出て、発病が進むと「葉」や「果実」が落ちます。
越冬した病原菌が翌年の春に、胞子を飛ばすことで感染が広がります。
最も問題となるのは果実の被害で、幼果期に感染すると、黒いすす状の病斑をつくり、果実のゆがみや裂果を生じます。
裂果した実
裂果した実
葉が生い茂る時期は、葉裏にススをつけたような病斑が点々と発生します。
葉に発生した黒星病
葉裏に発生した黒星病
 
 
【発病状況】
黒星病菌は、10度前後になると活性化し、15度~20度が最適な気温です。
また、気温が30度以上だと動きが止まります。
最も早く病状が現れるのは春先で、「葉芽」と「花芽」の基部近辺に病斑をつくります。指でこすると黒い粉がつきます。
「開花時期から幼果期」と「梅雨時期」は、特に黒星病が発生しやすい時期になります。
葉が濡れた時間が24時間以上経つと発生しやすくなります。
発病のしやすさは、品種間で差があります。
 
 
 
【防除のポイント】
落ち葉は、病原菌の越冬場所(第一次伝染源)となり、翌年の春に胞子を飛ばすことで感染が広がりますので、黒星病が出た圃場の落ち葉は適切に処理します。
また、秋に芽の中に入り込んだ病原菌も翌年の発生原因(第一次伝染源)となりますので、秋の防除をしっかり行います。
春先の「葉芽」と「花芽」の基部に病斑が見られる場合は、適切に取り除きます。
早めの摘果作業を心がけて、幼果が密集しないようにします。
密集した枝葉を整理して風通しが良い環境にします。
病気になってしまった部分を見つけたら速やかに取り除き、適切に処理します。
化学薬剤は、「早い時期」から「定期的」に、「違う系統の剤」を「ローテーション散布」します。
化学薬剤は、「予防剤(「オーソサイド水和剤80」など)」を主体として行います。
葉裏までしっかりと薬液が付着するよう、十分量散布するようにします。
 
 
 
 
 
 
 
「発生(発病)状況」や「防除のポイント」など、このページでご紹介した情報は一例です。
地域に「防除暦」などがある場合は優先的に参照して、注意点などをご確認ください。
対象病害虫、回数、収穫使用前日数などについては、使用前に必ずラベルを確認してください。