なしの赤星病(あかぼしびょう)
 
【赤星病(あかぼしびょう)とは】
「赤星病」と聞いて、赤色を連想するかもしれませんが、「葉」に現れる病斑は、黄色・オレンジ色をしています。
葉表に発生した赤星病
葉表に発生した赤星病
赤星病は、「ビャクシン類(カイヅカイブキなど)」と「果樹(「なし」や「りんご」)など)」の間を、交互に宿主とする異種寄生菌(いしゅきせいきん)です。
「なし」から「りんご」、反対に「りんご」から「なし」、「なし」から「なし」に感染することはありません。
発病が進んだ赤星病
発病が進んだ赤星病
この病原菌は、春から夏に「なし」に、夏から翌春に「ビャクシン類」に寄生します。
初期症状は、「葉」の表面に黄色(オレンジ色)の小さい病斑が点々と現れます。
葉裏の赤星病
葉裏の赤星病
発病が進むと「葉」の裏面(病斑の裏側)に、毛のようなものができて、胞子を飛ばします。
病斑の多い「葉」は枯れて落ちてしまいます。
幼果に発生した赤星病
幼果に発生した赤星病
また「幼果」にも発生します。
 
 
【発病状況】
3月下旬~4月に、ビャクシン類で越冬した冬胞子堆(ふゆほうしたい)が降雨により膨張し、胞子を飛散します。
「なしの木」の周囲約1kmに「ビャクシン類」がある場合は、注意が必要です。
「なし」の葉が展葉(てんよう)する時期に、「なし」への感染が可能になります。
「なし」には、4月~6月に発生します。
3月下旬から4月にかけて雨が多く、強い風を伴う雨が降るような年は、発生が多くみられます。
 
 
 
【防除のポイント】
ビャクシン類の近くに「なし」を植えないようにします。
病気になってしまった部分を見つけたら速やかに取り除き、適切に処分します。
密集した枝葉を整理して風通しが良い環境に整えます。
「なしの木」の周囲約1kmにビャクシン類がある場合は、早めに化学薬品を散布して防除に努めます。
化学薬剤は、「予防剤(「オーソサイド水和剤80」など)」を主体として行います。
葉裏までしっかりと薬液が付着するよう、十分量散布するようにします。
 
 
 
 
 
 
 
「発生(発病)状況」や「防除のポイント」など、このページでご紹介した情報は一例です。
地域に「防除暦」などがある場合は優先的に参照して、注意点などをご確認ください。
対象病害虫、回数、収穫使用前日数などについては、使用前に必ずラベルを確認してください。