[上手な使い方]
1.「ハマキ天敵」とは *特定のハマキムシだけに感染する顆粒病ウイルスです。
*選択性が高くチャハマキ顆粒病ウイルスはチャハマキだけに、リンゴコカクモンハマキ顆粒病ウイルスはコカクモンハマキだけに感染します。このため人畜、魚介類、甲殻類に対して無害で、蚕、蜂、天敵昆虫などにも影響がありません。実際に試験し安全性を確認しています。
*若齢期のハマキ幼虫が「ハマキ天敵」を散布された茶葉を摂食すると、終齢期に高い頻度で感染・発病します。発病した幼虫は蛹になれず、やがて死に至ります。発病した幼虫の体内がGV(ハマキ顆粒病ウイルス)で充満されると体色が灰白色〜黄白色になります。死亡したハマキ幼虫の虫体から出たGVが茶葉に付着し、次世代のハマキ幼虫に対するGVの感染源となります。
*ウイルスは紫外線により散布後7日程度で活性を失います。
*ハマキムシ密度の低下や、世代が進むことによる罹病虫率の低下で、翌年のウイルスの残存は少なく毎年1回の散布が必要です。第二世代以降は年2回の散布を推奨します。
*防除効果は直接的には罹病虫の成虫化を妨げることによる当世代の成虫密度の低下、間接的には、産卵数の減少による次世代以降の密度低下となって現れます。
以上のことから、地域ぐるみの一斉散布が効果的です。
2.散布時期は? *第一世代…発蛾最盛日から17日目(プラス5日マイナス1日)
*第二、第三世代…発蛾最盛日から10日目(プラス5日マイナス1日)
*卵および2齢幼虫までが感染します。
*老齢幼虫の発生時期に散布しても効果は得られません。
3.散布方法は? *第一世代は発生時期が揃うので散布しやすいのですが、第二世代、第三世代での散布も効果があります。
*フェロモンと同時処理が可能です。フェロモンは少発生、「ハマキ天敵」は中発生、殺虫剤は多発生のときに利用することも可能です。「ハマキ天敵」および天敵昆虫に影響のある薬剤は極力さけてください。発生量が多いときは、ハマキムシに効果のある殺虫剤を使って次世代に「ハマキ天敵」を散布します。
4.農薬との混用 *ボルドー液などのアルカリ性の強い殺菌剤を除き、ほとんどの薬剤と混用可能です。
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